美容室の客単価を上げる方法7選|
値上げだけに頼らず売上を伸ばす考え方

美容師がお客様にメニューやヘアケアを提案するカウンセリングの様子

美容室の売上を伸ばしたいと考えたとき、

「もっと新規客を増やさないと」
「予約枠をもっと埋めないと」

と考える方は多いと思います。

もちろん集客は重要です。

しかし、売上をつくる方法はお客様の人数を増やすことだけではありません。

今来てくれているお客様に、必要なメニューや商品を適切に提案し、一人あたりの売上=客単価を高めることも重要です。

ただし、客単価を上げるというと、

「値上げする」
「高いメニューを売る」
「オプションを追加してもらう」

というイメージを持たれがちです。

本来大切なのは、無理に金額を上げることではありません。

お客様に提供する価値を高め、その価値に合った金額を受け取れる状態をつくること。

この記事では、美容室の客単価を上げる具体的な7つの方法と、単価アップで失敗しやすいポイントを解説します。

美容室のコンセプトを内装・ブランド・Webへ展開したイメージ

この記事でわかること

  • 美容室の客単価を上げる基本的な考え方
  • 値上げだけに頼らず単価を上げる方法
  • セットメニュー・オプションを設計するポイント
  • カウンセリングから自然に提案する方法
  • 店販・ホームケアで単価を高める考え方
  • 単価アップで失敗しないための注意点

美容室の客単価とは?

美容室の客単価とは、簡単に言えば、

一人のお客様が一回来店したときに使う平均金額です。

カットだけのお客様が多い美容室と、

カット+カラー+トリートメントまで利用するお客様が多い美容室では、同じ来店人数でも売上は変わります。

さらに、

技術メニューだけでなく、シャンプーやトリートメントなどの店販商品も購入されれば、一人のお客様から生まれる売上は高くなります。

客単価を上げる方法は、大きく分けると次の3つです。

① メニュー単価を上げる
② 一回の来店で利用するメニュー数を増やす
③ 店販など技術以外の売上を増やす

この3つを、お客様に無理なく提供できる形に設計することがポイントです。

なぜ美容室では客単価が重要なのか

美容室には、一日に対応できるお客様の人数に限界があります。

1人の美容師が同時に何十人ものお客様を施術することはできません。

つまり、

来店人数だけで売上を伸ばそうとすると、いずれ時間と席数の上限にぶつかる

ということです。

予約枠を詰め込みすぎれば、

カウンセリングが短くなる。
待ち時間が増える。
スタッフが疲弊する。
店内が慌ただしくなる。

といった問題も起こります。

だからこそ、

「何人来てもらうか」だけではなく、「一人のお客様にどれだけ価値を提供できるか」

を考える必要があります。

客単価を上げる方法01|セットメニューを設計する

一つ目は、単品メニューを組み合わせたセットメニューをつくる方法です。

たとえば、

カット
+ カラー
+ トリートメント

を、それぞれ別々に見せるだけではなく、

「カラーケアコース」

のように一つのサービスとして設計します。

ここで大切なのは、

単にメニューを3つまとめることではありません。

お客様の悩みに対する一つの解決策として見せることです。

たとえば、

「カラーの色持ちとダメージが気になる人向け」

として、

カラー
+ ケア処理
+ トリートメント
+ ホームケアアドバイス

まで含めれば、

ただの追加メニューではなく、

目的のあるサービス

になります。

美容室でセットメニューとサービス内容を設計する様子

客単価を上げる方法02|オプションメニューをつくる

次はオプションメニューです。

たとえば、

ヘッドスパ
頭皮ケア
クイックトリートメント
前処理・後処理
眉カット

など。

ただし、

「+1,000円でこれもどうですか?」

という売り方だけでは、お客様には追加料金に見えてしまいます。

重要なのは、

なぜそのお客様に必要なのかを伝えること。

たとえば、

「カラーを続けているので、今日は内部補修を一緒にしておくと、次回来店まで質感を維持しやすいですよ」

のように、

悩み → 理由 → 提案

の順番にすると、押し売り感が減ります。

客単価を上げる方法03|カウンセリングの質を上げる

実は、客単価を上げるうえで非常に重要なのがカウンセリングです。

メニュー提案が苦手な美容師ほど、

「高いメニューをすすめたら嫌がられそう」

と考えます。

しかし、お客様が必要としているものを提案しないことも、必ずしも親切とは限りません。

まず聞きたいのは、

「今日どうしたいですか?」

だけではありません。

たとえば、

普段どんなことで困っているか。
朝のセットに何分使えるか。
カラーの色持ちはどうか。
自宅で何を使っているか。
次回来店までどんな状態でいたいか。

まで聞く。

すると、

その人に本当に必要なサービス

が見えてきます。

美容師がお客様の髪の悩みを聞きメニューを提案するカウンセリング

客単価を上げる方法04|価格を見直す

客単価を上げる方法として、もちろん価格改定もあります。

長年同じ価格のまま営業している場合、

材料費。
人件費。
家賃。
サービス内容。
施術時間。

などが変わっているにもかかわらず、価格だけが昔のままになっていることがあります。

ただし、

「客単価を上げたいから値上げする」

だけでは危険です。

価格を上げるなら、

なぜその金額なのか。
どんな価値を提供しているのか。
これまでと何が変わるのか。

がお客様に伝わる状態をつくる必要があります。

価格そのものの設計については、

→ 30|美容室の価格設定戦略

で詳しく解説します。

客単価を上げる方法05|上位メニューをつくる

すべてのお客様に同じメニューを提供する必要はありません。

たとえばトリートメントでも、

ベーシック
スタンダード
プレミアム

のように複数の選択肢をつくる方法があります。

ここで重要なのは、

価格差ではなく、価値の違いが分かること。

「3,000円」「5,000円」「8,000円」

と金額だけが並んでいても、お客様は選びにくい。

それより、

何が違うのか
誰に向いているのか
どんな仕上がりになるのか

まで見せた方が選択しやすくなります。

そして、高単価のメニューをつくるなら、

施術内容だけでなく、

カウンセリング。
空間。
時間。
サービス。
アフターケア。

まで含めて価値を設計する必要があります。

→ 26|高単価美容室の作り方

客単価を上げる方法06|店販・ホームケアを提案する

客単価を考えるとき、忘れやすいのが店販です。

美容室で仕上げた髪を、自宅でもできるだけ長く維持してもらうためには、

シャンプー。
トリートメント。
ヘアオイル。
スタイリング剤。

などのホームケアも重要になります。

ただし、ここでも

「商品を売る」

という考え方から入らないこと。

たとえば、

「今日のカラーを長くきれいに保つなら、このシャンプーが合います」

のように、

施術とホームケアを一つにつなげて説明する。

そうすると、店販は単なる物販ではなく、

施術結果を維持するためのサービス

になります。

美容師がお客様にホームケア商品を提案する様子

客単価を上げる方法07|ブランド全体の価値を高める

最後は、メニューそのものではなく、美容室全体の価値です。

同じカット・カラーでも、

予約のしやすさ。
カウンセリング。
店内の空間。
接客。
照明。
音楽。
写真。
Webサイト。
アフターフォロー。

まで含めて、お客様は美容室の価格を判断しています。

たとえば、

高価格帯の美容室なのに、

Webサイトは古い。
写真は暗い。
店内は雑然としている。
接客が慌ただしい。

という状態なら、

価格だけが高く見えてしまいます。

反対に、

すべての接点から一貫した価値を感じられれば、

価格への納得感

は高まりやすくなります。

→ 14|美容室ブランディングとは?

→ 28|美容室の世界観づくりとは?

「客単価を上げる=たくさん売る」ではない

客単価を上げようとすると、

「もっとオプションを売ろう」
「店販をすすめよう」

という話になりやすい。

ただし、それだけではスタッフにもお客様にも負担になります。

客単価アップで本当に重要なのは、

必要な人に、必要な価値を、正しく提案すること。

必要のないメニューまですすめれば、短期的には売上が上がっても、長期的には信頼を失う可能性があります。

だから、

売上を上げるための提案

ではなく、

お客様の満足度を上げるための提案

になっているかを確認することが大切です。

客単価を上げるときに失敗しやすい5つのパターン

1|理由なく値上げする

価格だけを変えて、サービスや価値の説明が変わらなければ、お客様には単純な値上げに見えます。

2|オプションを押し売りする

スタッフに「必ず○件売る」とだけ指示すると、接客が営業的になりやすくなります。

3|メニューが増えすぎる

選択肢を増やしすぎると、お客様もスタッフも違いを説明できなくなります。

4|価格とターゲットが合っていない

高単価メニューをつくっても、その価値を求めるターゲットが来店していなければ成立しません。

5|店舗体験が価格に追いついていない

サービス価格だけを上げても、空間・接客・ブランド体験が変わらなければ価格への納得感は生まれにくくなります。

客単価を改善する前に確認したい数字

客単価を上げたい場合、まず現在の状況を整理します。

確認したいのは、

  • 現在の平均客単価
  • メニュー別の利用率
  • オプション利用率
  • 店販売上
  • 値引き・クーポン利用率
  • 客単価の高いお客様が何を利用しているか

です。

ここを見ると、

「単価が低い原因」が、

価格なのか。
メニュー構成なのか。
提案不足なのか。
割引なのか。

が見えやすくなります。

客単価を上げるおすすめの順番

いきなり値上げするより、次の順番で見直す方が自然です。

STEP01|今のお客様を知る

誰が来ていて、何を求めているのか。

STEP02|メニューを整理する

必要なもの・不要なもの・組み合わせられるものを見直す。

STEP03|提案方法を整える

カウンセリングから自然につながる提案にする。

STEP04|価格を確認する

提供価値に対して適正な金額になっているかを見る。

STEP05|ブランド体験を整える

価格に見合う空間・接客・見せ方まで揃える。

つまり、

値上げは最初ではなく、最後に近い。

まず価値を整え、その価値が伝わる状態をつくる。

そのうえで価格を見直す方が、客単価アップは長続きしやすくなります。

まとめ|客単価は「価格」ではなく「提供価値」から上げる

美容室の客単価を上げる方法は、値上げだけではありません。

セットメニューをつくる。
オプションを設計する。
カウンセリングを改善する。
価格を見直す。
上位メニューをつくる。
店販を提案する。
ブランド全体の価値を高める。

こうした方法があります。

重要なのは、

「どうすればもっとお金を使ってもらえるか」ではなく、「どうすればもっと価値を提供できるか」から考えること。

提供価値が増え、お客様がその価値を理解できれば、結果として客単価も上がります。

そして、

客単価
× リピート
× 来店頻度

が整ってくることで、美容室の売上はより安定しやすくなります。

売上が伸びない原因から確認したい方は、

→ 04|売れない美容室の特徴5選

高単価でも選ばれる美容室そのものを設計したい方は、

→ 26|高単価美容室の作り方

もあわせてご覧ください。

上部へスクロール