Journal
美容室開業は居抜きとスケルトンどっちがおすすめ?費用・メリット・失敗しない選び方を徹底比較

美容室を開業する際、多くの方が悩むのが、
「居抜き物件とスケルトン物件、どちらを選ぶべきなのか?」
という問題です。
居抜きなら開業費用を抑えられる一方で、理想のデザインが実現できない場合があります。
反対にスケルトンなら自由な空間づくりができますが、その分初期費用は高くなりやすく、資金計画も重要になります。
どちらにもメリット・デメリットがあるため、「安いから」「おしゃれだから」といった理由だけで選ぶと、開業後に後悔してしまうケースも少なくありません。
実際には、
- どんな美容室をつくりたいのか
- 誰をターゲットにするのか
- どのくらいの予算で開業するのか
によって、最適な選択は変わります。
この記事では、美容室デザイン・ブランディングを手掛けるプロの視点から、
- 居抜き物件とスケルトン物件の違い
- それぞれのメリット・デメリット
- 費用相場
- 向いている美容室の特徴
- 契約前に確認すべきポイント
まで分かりやすく解説します。
これから美容室の開業を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
✓ 居抜き物件とスケルトン物件の違い
✓ それぞれのメリット・デメリット
✓ 開業費用はどれくらい変わるのか
✓ 自分に合った物件の選び方
✓ 契約前に必ず確認したいポイント
目次
Toggle結論|居抜きとスケルトンは「どちらが良いか」ではなく「どちらが戦略に合うか」が重要
結論からお伝えすると、
居抜き物件とスケルトン物件に優劣はありません。
大切なのは、
「どんな美容室をつくりたいのか」
というコンセプトから逆算して選ぶことです。
例えば、
居抜きが向いているケース
- 初期費用を抑えたい
- できるだけ早く開業したい
- 一人サロン・小規模サロンを始めたい
- 既存設備を活かせる物件が見つかった
スケルトンが向いているケース
- ブランドイメージを大切にしたい
- 高単価サロンを目指したい
- 空間デザインにこだわりたい
- 長く運営できる店舗をつくりたい
つまり、
「何を優先したいか」で最適な選択肢は変わります。

居抜き物件とは?メリット・デメリット
まずは、居抜き物件について理解しておきましょう。
居抜き物件とは、前のテナントが使用していた設備や内装が残っている状態の物件です。
美容室の居抜きであれば、
- セット面
- シャンプー台
- 給排水設備
- 電気設備
- ミラー
- カウンター
などがそのまま使えるケースもあります。
そのため、開業コストを抑えやすいことから、多くの美容師さんに選ばれています。
居抜き物件のメリット
初期費用を抑えやすい
最大のメリットは、やはり開業費用を削減できることです。
美容室では特に、
- 給排水工事
- 電気工事
- シャンプー設備工事
の費用が高額になりやすいため、それらを再利用できれば数百万円単位でコストを抑えられる場合もあります。
オープンまでの期間が短い
設備がすでに整っているため、
- 解体工事
- 配管工事
- 設備設置
などの工程を短縮できます。
「できるだけ早く開業したい」
という方には大きなメリットです。
開業リスクを抑えられる
開業直後は売上が安定しないことも珍しくありません。
初期投資を抑えられることで、
- 融資負担
- 固定費
- 資金繰り
に余裕が生まれ、経営のリスクを軽減できます。
特に、
- 一人美容室
- 独立したばかり
- 小規模サロン
との相性は非常に良いでしょう。

居抜き物件のデメリット
もちろん、メリットだけではありません。
デザインの自由度が低い
既存の設備を活用する分、
- 配管位置
- 壁の位置
- セット面配置
- シャンプー台の位置
などに制限が生まれます。
その結果、
「思い描いていた美容室がつくれない」
というケースも少なくありません。
設備の老朽化リスクがある
見た目はきれいでも、
- 配管
- 空調設備
- 電気容量
などは劣化している可能性があります。
開業後に修理費が発生してしまうケースもあるため、設備の状態は必ず確認しましょう。
前店舗のイメージが残りやすい
意外と見落とされがちなのが、
以前営業していた美容室の印象です。
近隣のお客様から
「あそこ前の美容室だよね」
という印象を持たれることもあります。
ブランドイメージを重視する場合は、この点も考慮しておく必要があります。
スケルトン物件とは?メリット・デメリット
スケルトン物件とは、
壁・床・天井・設備などが撤去され、
建物の躯体だけになっている状態の物件です。
ゼロから空間をつくれるため、
理想の美容室を形にしやすいのが最大の特徴です。
スケルトン物件のメリット
自由にレイアウトを設計できる
スケルトン物件なら、
- セット面の配置
- シャンプー台の位置
- 動線
- バックヤード
まで自由に設計できます。
美容室では動線設計が売上やスタッフの働きやすさにも直結するため、大きなメリットになります。
ブランドイメージを表現しやすい
現在の美容室は、
「髪を切る場所」
ではなく、
**「ブランドを体験する場所」**です。
照明や素材、家具、色使いまで一貫して設計できるため、
高単価サロンやコンセプトサロンとの相性は抜群です。
他店との差別化につながる
美容室が増え続ける今、
「普通の美容室」
では選ばれにくくなっています。
ゼロから空間を設計することで、
自分だけの世界観を表現しやすくなります。

スケルトン物件のデメリット
初期費用が高くなりやすい
何もない状態から工事を行うため、
- 給排水工事
- 電気工事
- 空調工事
- 内装工事
など、すべて新設する必要があります。
そのため、開業費用は居抜きより高くなるケースが一般的です。
工期が長くなる
設計から施工までゼロから進めるため、
オープンまでに数か月かかることもあります。
余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。
予算オーバーしやすい
スケルトン物件では、
「あれもやりたい」
「これも追加したい」
と希望が増えやすく、
気付けば予算を大きく超えてしまうケースもあります。
理想だけでなく、事業計画とのバランスを考えながら進めることが重要です。
比較表
| 比較項目 | 居抜き物件 | スケルトン物件 |
|---|---|---|
| 初期費用 | ◎ 抑えやすい | △ 高くなりやすい |
| 開業までの期間 | ◎ 短い | △ 長い |
| デザインの自由度 | △ 制限あり | ◎ 自由に設計できる |
| ブランドづくり | ○ 工夫次第 | ◎ 非常にしやすい |
| 設備の新しさ | △ 状態による | ◎ すべて新設できる |
| 開業リスク | ◎ 抑えやすい | △ 資金計画が重要 |
居抜き物件とスケルトン物件|それぞれ向いている人
ここまで、それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介しました。
では実際に、
どんな人が居抜き物件に向いていて、どんな人がスケルトン物件に向いているのでしょうか?
ここでは、目的別に分かりやすく解説します。
居抜き物件が向いている人
次のような方は、居抜き物件との相性が良いでしょう。
開業資金をできるだけ抑えたい
独立したばかりの方や自己資金に限りがある場合は、初期費用を抑えられる居抜き物件が大きなメリットになります。
浮いた資金を、
- 集客
- 広告
- ホームページ制作
- 運転資金
に回せることも、経営を安定させるポイントです。
できるだけ早く開業したい
居抜き物件は設備をそのまま活用できるため、
設計からオープンまでの期間を短縮しやすくなります。
「退職日が決まっている」
「早く営業を始めたい」
という方にも向いています。
一人美容室・小規模サロンを考えている
一人サロンや2席程度の小規模サロンであれば、
既存のレイアウトを活かしやすいケースも多くあります。
必要最低限の工事だけでオープンできれば、
開業リスクも大きく抑えられます。

スケルトン物件が向いている人
一方で、次のような方はスケルトン物件との相性が良いでしょう。
ブランドをしっかり作り込みたい
高単価サロンやコンセプトサロンでは、
空間そのものがブランドになります。
ゼロから設計できるスケルトン物件なら、
理想の世界観を細部まで表現できます。
高単価サロンを目指している
高単価サロンでは、
技術だけでなく、
- 空間
- 接客
- 雰囲気
- 居心地
といった「体験価値」が重要になります。
そのため、レイアウトや照明まで自由に設計できるスケルトン物件は大きな強みになります。
将来的にブランド展開を考えている
店舗展開や多店舗化を目指す場合は、
最初からブランドイメージを確立しておくことが重要です。
ロゴやWebサイトだけでなく、
店舗デザインもブランドの一部として設計することで、統一感のある店舗づくりができます。
物件契約前に必ず確認したい5つのポイント
居抜き・スケルトンに関係なく、
契約前には必ず確認しておきたいポイントがあります。
ここを見落とすと、
あとから大きな追加費用が発生する可能性もあります。
① 給排水設備の位置
美容室ではシャンプー台を設置するため、
給排水設備は非常に重要です。
位置によっては、
シャンプー台を希望の場所へ設置できなかったり、
工事費が大幅に増えたりするケースもあります。
② 電気容量
美容室では、
- ドライヤー
- エアコン
- 給湯器
- 照明
など、多くの電力を使用します。
電気容量が不足していると、
営業中にブレーカーが落ちるなどのトラブルにつながるため注意が必要です。
③ 天井高・柱・梁の位置
物件によっては、
大きな梁や柱がレイアウトの妨げになることがあります。
また、天井高は空間の開放感にも大きく影響します。
図面だけで判断せず、現地で確認することをおすすめします。
④ ファサード(外観)
お客様は、
美容室に入る前から店舗を見ています。
外観や入口のデザインは、
第一印象を左右する重要な要素です。
看板の設置位置やガラス面の見え方なども確認しておきましょう。
⑤ 契約条件・工事制限
テナントによっては、
- 工事時間
- 看板の大きさ
- 外観変更
- 排気設備
などに制限がある場合があります。
契約後に気付くと計画を変更しなければならないこともあるため、
事前確認は欠かせません。

美容室開業でよくある物件選びの失敗例
実際に多くの美容室で見られる失敗例をご紹介します。
同じ失敗を避けるためにも、ぜひ参考にしてください。
① 家賃だけで決めてしまう
家賃が安い物件は魅力的ですが、
ターゲットと立地が合っていなければ集客につながりません。
「安いから」という理由だけで選ぶのは危険です。
② 理想だけでスケルトン物件を選ぶ
自由度の高さに惹かれてスケルトン物件を選んだものの、
工事費が想定以上に膨らみ、
運転資金まで使い切ってしまうケースもあります。
理想と予算のバランスを考えることが大切です。
③ 設計を考えずに契約してしまう
物件を契約したあとで、
「この場所にはシャンプー台が置けない」
「希望のレイアウトが入らない」
と気付くケースも少なくありません。
そのため、物件契約前に設計会社へ相談することをおすすめします。
④ 物件だけで判断してしまう
成功する美容室は、
物件だけを見て決めているわけではありません。
- コンセプト
- ターゲット
- レイアウト
- 集客
- ブランディング
まで含めて考えたうえで、最適な物件を選んでいます。
プロの視点|「安い物件」を選ぶのではなく「勝てる物件」を選ぶことが重要
美容室の開業では、
「家賃が安い」
「駅から近い」
「設備が残っている」
といった条件だけで物件を選んでしまうケースが少なくありません。
しかし、本当に重要なのはその物件が、自分の目指す美容室に合っているかどうかです。
例えば、高単価サロンを目指すのであれば、
静かな立地やプライベート感のある空間の方が、お客様にとって価値を感じてもらいやすいことがあります。
一方で、回転率を重視するサロンなら、
駅からのアクセスや視認性の高さが大きな武器になるでしょう。
つまり、
「良い物件」ではなく、「自分の戦略に合った物件」を選ぶことが成功への近道です。
物件探しは、開業準備の一工程ではなく、
ブランドづくりのスタート地点だと考えることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. 美容室を開業するなら、居抜きとスケルトンはどちらがおすすめですか?
どちらが優れているということはありません。
開業資金を抑えたい場合や早くオープンしたい場合は居抜き物件が向いています。
一方で、高単価サロンやブランドづくりを重視する場合は、自由度の高いスケルトン物件が適しています。
大切なのは、自分のコンセプトや経営戦略に合った選択をすることです。
Q. 居抜き物件でもおしゃれな美容室は作れますか?
はい、可能です。
既存設備を活かしながらデザインを工夫することで、十分に魅力的な空間をつくれます。
ただし、配管やレイアウトなど変更できない部分もあるため、契約前に設計の視点で確認しておくことが重要です。
Q. スケルトン物件はどれくらい費用がかかりますか?
物件の広さや工事内容によって異なりますが、一般的には内装工事費だけでも数百万円〜1,000万円以上になるケースがあります。
そのため、内装費だけでなく運転資金まで含めた資金計画を立てることが大切です。
Q. 物件契約前に設計会社へ相談した方がいいですか?
おすすめします。
契約後に「希望のレイアウトが入らない」「設備工事に想定以上の費用がかかる」と判明するケースは少なくありません。
契約前に設計会社へ相談することで、余計なコストや後悔を防ぎやすくなります。
まとめ|居抜きかスケルトンかより、「戦略との相性」で選ぼう
美容室開業で成功するためには、
居抜き物件かスケルトン物件かという選択そのものよりも、
自分がどんな美容室をつくりたいのかを明確にすることが重要です。
今回ご紹介したポイントをまとめると、
- 居抜き物件は初期費用を抑えやすく、スピーディーな開業に向いている
- スケルトン物件は自由度が高く、ブランドづくりや高単価戦略と相性が良い
- 契約前には配管・電気容量・レイアウト・工事制限などを必ず確認する
- 「安い」「駅近」といった条件だけで判断せず、コンセプトとの相性を優先する
物件は一度契約すると簡単には変更できません。
だからこそ、目先の条件だけではなく、
5年後、10年後も選ばれ続ける美容室をイメージしながら判断することが大切です。
関連記事
美容室の物件選びで失敗しない方法
立地・家賃・視認性・契約前のチェックポイントまで詳しく解説しています。
・「美容室の物件選びで失敗しない方法|立地・家賃・内装の考え方をプロが徹底解説」
美容室開業の準備チェックリスト
開業前に確認したい準備を、時系列で分かりやすくまとめています。
・「美容室開業の準備チェックリスト|失敗しないための完全ガイド」
美容室のレイアウト設計
売上やリピート率にも影響する、動線・配置・空間づくりの考え方を解説しています。
美容室の物件選び・店舗設計のご相談はこちら

miiiyでは、美容室開業に向けた物件選びの段階からサポートしています。
「この物件で理想のサロンは実現できる?」
「居抜きとスケルトン、どちらを選ぶべき?」
「ブランドづくりまで考えた店舗をつくりたい」
そんなお悩みに対して、
- コンセプト設計
- 物件選定のアドバイス
- レイアウト・動線設計
- 空間デザイン
- ブランディング
- Webサイト・集客導線の構築
まで、一貫してご提案しています。
開業前だからこそできる選択肢も多くあります。
物件契約前のご相談も承っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

